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最も参考になったカスタマーレビュー
22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
最終章だけでも一読の価値アリ。,
By ebith (JAPAN) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学 (NHK出版新書) (新書)
タイトルの「遺伝子」という単語より、「ゲノム」という言葉のほうがしっくりくるような気がしないでもないです。内容は結構ハードル高めです。概念的な解釈はほとんど出てこず、科学的な解釈がわんさかでてきます。 ので、科学的な話の展開に抵抗を感じる方はちょっと読みつらいかも。 ただ、最後の章は「今までのページはこの章を読むための試練だったのか!」と思えるほどに素晴らしいです。 ■第一章:こころはどこにある? 脳のつくりかたのすべてが書いてあるゲノムの配列は、基本的に一生変わらない。肉体的に変化し続ける自分を精神的に自分たらしめる実体こそ、ゲノムであろう。 一般的能力や外向性、言語的推論能力などは、遺伝率によるところが大きい。また、別居しているきょうだい・別居している親子では知能テストに大きな差異はなく、育つ環境によって知能の発達は変わってくる。 ■第二章:遺伝子ターゲティングが招いこころの研究 マウスの遺伝子の多くは、人の遺伝子と対応しており、ゲノムは非常によく似ている。意図的に遺伝子を欠損させたマウスは、野生のマウスと比較し、共通して幾つかの行動に変化が現れた。 野生のマウスは、人が触ったり世話をしているうちに慣れてくるが、ある欠損のマウスは、全く慣れる気配を見せず、人間の統合失調症と似た症状を示す。 ■第三章:こころの病に挑む ある遺伝子を欠損させたマウスは、暴力性をもち、同じケージにいるマウスを殺してしまい、人間でいうところの「きれた」状態になったと考えられる。 脳の神経細胞は、母親の胎内にいるときから赤ん坊の頃の間に大部分が形成され、大人になってからは、「側脳室」と「歯状回」でしか生み出されない。 脳のごく一部だけが未成熟であるマウスは、行動レベルで顕著な異常を示すことから、少なくともマウスに限っては様々な遺伝子改変や投薬により、簡単に異常を持つマウスを作ることができる。 ■第四章:パーソナルゲノム時代の到来 ゲノムに関する研究の大きな目的は、個人の体質(ゲノム)に合わせた、きめ細やかな医療を提供することである。また、アメリカでは、医療機関をまたがない「新しいビジネス」として注目されている。 遺伝子解析サービスの利用に当たっては、判定の結果が参照するデータがどういった背景で測定されたのかを理解していることが望ましい。 ■第五章:ゲノムで性格や相性がわかるのか 血液型と性格についてゲノムの観点から調べた研究は少ない。また、研究されていたとしても、科学的な知見をもとに議論が展開されているものがほとんどないのが現状。 性格や知能といった「こころ」の性質は、一つの遺伝子で決まるものではなく、複数の遺伝子と環境や経験が影響して決まるものである。 ■第六章:ゲノム脳科学と近未来 ゲノム情報は究極の個人情報。考えもせず公に公表すると、親・きょうだい・親族に迷惑をかける可能性がある点、心得ておくべき。また、ゲノムによって重大な病気にかかりやすいなどを理由にして保険料があがったり、「完全な」子どもをつくりだす社会の流れが産まれるとも考えられるため、ゲノムに関する研究/開発と平衡して、法規制/リテラシーの構築も進めていく必要がある。
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「こころ」と「遺伝」に関連に興味ある全てのひとにお勧めします,
By
レビュー対象商品: 「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学 (NHK出版新書) (新書)
現在、「こころ」の問題を基礎的な遺伝子改変動物を用いて研究に取り組んでいる研究者の大変中身の濃いかつ大変有益な本です。写真や図を駆使して、遺伝について詳しくない読者でも最先端の話をわかりやすく理解できます。今までの「こころ」と「遺伝」に 関する本は、研究にはほとんどタッチしてこなかった研究者が総花的に評論する本が日本では多かったのですが、この本は実際研究さ れてる著者の研究の息吹が本の隅々までいきわたり、研究者としての客観的なエビデンスを重要視した姿勢に感動さえ覚えます。 特にここ数年発表された性格や精神疾患に関する遺伝子解析データが、次々書き換えられている事実にも驚きました。 圧巻は著者自身が自分の遺伝子解析を行い、精神疾患・身体疾患の可能性について言及したところは大変興味深く、迫り来る遺伝子革 命の予兆を感じるところでした。 この本は全ての世代において「こころ」と「遺伝」の関係に興味ある方にお勧めします。 数年後、是非この続編の出版を著者に強くお願いします。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
DNAと性格・能力との関係についての最先端の議論が基礎知識なしに読めます。,
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レビュー対象商品: 「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学 (NHK出版新書) (新書)
読後感は非常に良いです。専門知識が必要な本は、説明不足のためにどこかで話のスジが見えなくなって つまらなくことが少なくありません。心と遺伝子に関するほかの著書には冗長な 説明や説明不十分な専門用語の羅列があったりして、難儀します。 この本にはそれがありません。最先端の研究を専門知識がない人に分かるように 書けているのは、すごい力量であると思います。 日頃からきちんと学生と接していて疑問に思う部分やつまずきそうな部分をよく 理解しているという印象を受けました。 内容は特定の具体的な遺伝子が特定の人柄や行動に影響するその度合いという 非常にテクニカルなものですが、ポイントを絞って簡潔にまとめています。 幅広い視野で書かれていて、同じ話の重複がありません。 各章の末尾に参考文献はきちんと書かれていることも好印象です。 引用される実験がマウスという点も良かったです。ショウジョウバエは生理的に ちょっと嫌なので。 現在は個人でDNA解析を民間業者に申し込むことができ、著者自身が民間2社 にゲノム解析を依頼した結果も書かれています。クマのような風貌の著者の ゲノム解析の結果はどこか納得できるところがありました。
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