本書は、社会学における社会調査、特に質的なフィールドワークをめぐるものである。ただ、社会調査論の教科書などに見られるような、技法や方法論、倫理などを一般的に説明するものではない。
これまでの私自身の質的なフィールドワークの経験や、多くの優れた調査結果を語る作品を読んだ印象や思いを中心に、「世の中を質的に調べる」うえで、基本であり大切だと考えるセンスについて、好きに語ったものである。(「はじめに」より)
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5つ星のうち 4.0
世の中のリアルをつかむために,
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レビュー対象商品: 「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス (光文社新書) (新書)
基本的にはフィールドワークの本なのだが、題名にもなっている6章と7章はかなりの迫力がある。 あたりまえだと思っていることはいったい何なのか。 普通って言ってしまう、思ってしまうことの 鋭利な暴力。 調査手法、社会学手法、リアルをつかむフィールドワークに 触れながら、世の中を見る「視点」について語る良書。 たいてい調査に関連する本はテクニカルに終始しがちだが、 本文にもあるとおり「マインド」や「考え方」を教えてくれる。 調査関係者は必読、 世の中の見方に興味がある人なら、読んで損はない。
26 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生きられた経験、人生を読む「方法」,
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レビュー対象商品: 「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス (光文社新書) (新書)
久しぶりに感動する本だった。こんなにやさしく、こんなに優秀な研究者は滅多にいないだろう。フィールドワークの対象になる人との交流とその分析が、下手な社会学者、人類学者のような「既成の理論に当てはめた解釈」ではなく、生きられたものとしてどうすくいだすかを考えさせる良書。調査対象の人への調査を通して、自分がいかに変われるか、いかに支配的社会・文化の囚われている「自分」を変革し、新しい関係を構築できるかという試行錯誤の道筋が述べられている。それはマニュアル本的な「新しい自分に出会う」方法とは違い、おそろしくまわりくどく、おそろしくバタクサイものだろうが、しかしもっとも生きられた、もっとも大切なものをくみ上げることができる学問的営みだとぼくには思えた。あまりにも簡単に「変化」できるマニュアルにひかれる人が多いなか、漢方薬のように効果が現れるのには時間がかかるし、はっきりとはわからないのだが、でも確実かつ根本的に社会全体を覆っている「息苦しさ」を解決するためには必要な一冊だと思う。カルチュラル・スタディーズとか読んでないで、この本を読んでほしい。
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
フィールドワークの心構え,
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レビュー対象商品: 「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス (光文社新書) (新書)
社会調査には数量的なものと質的なものがある。前者はアンケートなどに代表されるが、これでは「個別の事情」が表に出にくい。それに対して後者は、全体は見えにくいかもしれないが「個別の事情」を明らかにする方法である。しかし、個別の事情となると研究対象となる団体や個人が拒絶する事がある。上手く入り込んでも、当事者の視点にどっぷり浸かってしまい、何のために観察しているのか、何を明らかにしたかったのかを忘れてしまう事がある。誰もが落ちやすい穴なのである。これらについて、どのように対象に近づいていくのか、どうやって観察する事を忘れずに続けるかについて書かれている。 まさに、学部学生またはフィールドワークを必要とする職種の人には、一度は読んで欲しい本である。
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