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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
現状の整理にはややお勧め,
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レビュー対象商品: 〈ビジネスの未来2〉 グローバル製造業の未来 (単行本)
以前、某総合電機メーカーに数年勤めていました。現場や本社に近いところに在籍していた立場からコメントさせていただきます。※本書の内容は一般的なビジネスパーソンやメーカー勤務者、学生を対象にしているものだと仮定した上でレビューを書きます。 ビジネスパーソンで元メーカー勤務者の私としてはレビュータイトルの通り、本書は現状の整理にはお勧めできるというのが全体を通した感想ですが、本書における問題提起を認識している人や知っている人、提示されている解決策をとっくに実践している人(会社)には今更な話なので、そのような読者層にとってみたら特段目新しい内容はありません。 ただ、「第3章 日本型製造観」や「第5章 日本メーカーへの処方箋」は現状を体系立てて整理しなおすには役立つと思います(やや抽象的かつ理論的な表現が目立ちますが)。 以下、私が気がついたレベルで良かった点とイマイチだった点を挙げます 注)主観に偏っているかもしれません ●良かった点 「おさらいという意味で頭の整理にはなる」 ・日米の製造業における問題点と解決策の論点整理をしてくれているので、おさらいになる(米は不要だと思いましたが)。 ・日本の製造業における弱点を「事業ポートフォリオの再構築」という論点に絞ったから主張が分かりやすい(パンチの弱さが否めませんが、これはこれで正しい主張だと思いました)。 ・構造的な低収益性については正にその通りで、今一度再認識する為に読む価値はあります(よくぞ言ってくれたと思いました)。 ⇒ご存知の通り、日本を代表する製造業の利益率はグローバルベースで他社と比較してかなり低い水準です(未だにannual reportでは営業利益率5%を目指していますといった宣言をされています)。これは財務的な観点から言える日本製造業の最も特徴的な構造的問題を表しているのだと思います。 ●イマイチだった点 「全体的に具体性に乏しく、中途半端に理論的なので非実践的」 ・話の内容に現実性や具体性が乏しく実践的ではない。例えば第5章に挙げられている論点は的を得ているものの、肝心の内容が薄い上に解決策が理論的な一般論。これでは学生が戦略論か何かの授業で課されたレポートに書くような内容と質に大差がないのではないかと思えます。 「儲かる製品分野にシフトする」といいつつ内容はNPVやEVAの解説にはじまり、それらの指標をもって「儲かる」製品分野にシフトしろと論じています。それはそうかもしれませんが、そういう話を読者層は期待しているのでしょうか?(経営学を学び始めた学生にはいいかもしれませんが) ・日本の製造業に勤務されている人達が当事者なわけですが、肝心の最も有用な情報を提供すべき人達にとってみたらあまり価値が見当たらないと思われます。即ち、今更欧米の製造業と比較しても、恐らく想定しているだろう対象読者層にとっては今更競合として再認識をしたり、重要視することはないので、学ぶことは少ないのではないでしょうか。 また、本書で言及されている日本の製造業の強みも弱みも当事者はおよそ認識しているし、先に触れた「処方箋」についても既に実践している会社はあります。 ・日本の製造業にとって既に新興国メーカーが競合であるという認識はトップから現場まで浸透している為(少なくとも私が在籍していた会社では)、今更感が否めません。 ・新興国メーカーのことを新たな競合であると触れていながらも、彼らの分析が全くと言っていい程出来ていません。(あえて触れなかったのだろうか?)。したがって日本企業を主体者とした場合の競争戦略論上の分析で肝心なところ(競合他社の分析)が抜け落ちています。 ●結論 ・日米製造業が置かれている現状をとりあえずさらっと知っておきたい、復習しておきたい読者向け ・論点が整理されているので読みやすい(やや中途半端に理論的なのがたまにひっかかりますが) ・内容は古いトピック80%、新しいトピック20%という印象 ・知っている人は知っている話 ⇒製造メーカー関係者(特に大企業勤務の方)や戦略論に明るいビジネス雑誌読者は必読ではない ・経営学部や商学部の学生さんにはお勧め ⇒但し、内容を鵜呑みにしないこと。メーカー内定者の方はこの本を読んで知ったかにならないように気をつけましょう 以上、思いつくままに挙げてみました。 少しでもご参考になれば幸いです。
9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
グローバル競争時代の欧米製造業、日本製造業の構造的課題を分析,
By koken (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 〈ビジネスの未来2〉 グローバル製造業の未来 (単行本)
中国等の新興国の製造業の追い上げに、欧米の製造業、日本の製造業が如何に対抗して行くかについて書かれた本である。グローバルの視点で課題を構造的に分析しており、結論もさることながら分析の視点は産業構造を考えるためにも参考になる。先進国の製造業は、現在の世界不況が回復したとしても、中国を初めとする新興国メーカの大量参入により、新たな課題、構造的問題に直面するという。グローバル流通企業に採用されると、製造業が独自で流通チャネル構築する必要がないこと、デジタル化進展により基幹部品が容易に調達できるようになっていることより、新興国の製造業がグローバルマーケットに容易に参入できるようになっており、過当競争が起きているという。欧米の製造業は、不得意分野からの撤退、アウトソーシングという「戦略」に逃げ込んでおり、これの克服のため「ものづくり」力を強化すべしと説き、それに対して日本の製造業は、低収益のままの「ものづくり」に逃げ込んでおり、これを克服するため事業撤退、製品絞込みの「戦略」を強化すべしと説く。 詳細は、http://koken80.blogspot.com/2010/03/blog-post.htmlを参照してください。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
まとまっててわかりやすい,
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レビュー対象商品: 〈ビジネスの未来2〉 グローバル製造業の未来 (単行本)
工場で働いているので、これからの日本の製造業ってどうするのが正解なんだろうか? と悩んでいました。この本は、欧米企業向けにかかれたレポートに、日本のコンサルの人々が日本企業向けの部分を加筆したものだそうです。 自分の問題意識は…… いま、かつての日本企業のように中国・インドのメーカーが安さで勝負してきている中で、今後日本メーカーはどうなるのか? もしかして、欧米メーカーみたいにリストラし続けて「製造業? それより金融だよ、金融」という感じにならざるを得ないのか、どうか? で、この本の結論は…… ノー。欧米メーカーのようには弱体化しない。日本メーカーは欧米メーカーと違って、「ものを製造すること」を安易に放棄しない。 でも日本メーカーは、現場は強いが経営が弱いという傾向がある。 今後は、不採算事業からの撤退とか新規市場への参入とか製品の展開の仕方とかを、「戦略」として考えることが必要。 じゃないと、新興国メーカーに追い上げられて、かつての欧米メーカーのように苦境になる、とのことでした。 あと、品質と価格のバランスを見直す(つまり過度に高い品質を見直して販売価格を下げる)必要もあるかも、とのこと。そうしないと進展国の現地ニーズとずれて、新興国マーケットを失ってしまうよ、と。 何にせよこれからの主戦場は新興国なので、そこでどれだけ戦えるかの勝負、ということが前提でした。 もはや常識かもしれないですが、まとまっててわかりやすかった。
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