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5つ星のうち 5.0
命の格について,
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レビュー対象商品: …絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA) (文庫)
異星人の起こした次元事故によって、新井素子(作者と同名の作中人物、小説家志望) の物語世界が現実空間に流出、彼女の小説のキャラクターが実体化してしまう。 …というSFな設定に始まり、人間と動物、超文明を発達させた異星人との闘争を通して哲学的命題…人間の生物としての恪、文明論に収束するという、壮大なストーリー。少しでも思索的な青春時代をすごした文学少年・少女なら一度はぶつかるであろう、「人間って何だ?」という問いを、地球の生き物の中で頂点に立つ人間とその他の動物という図式に、SF的な高度星間文明の存在を導入することで、「生命の格というのは上にも下にも限りない」と仮定する。 作中新井素子は、下位の生命に対する義務に悩んだり、上位の生命に対する理不尽と闘争したりするが、最終的には在るがままを受け入れて前進していく。 ある意味非常に東洋的な宇宙観を展開する、奥深い作品だ。 もっとも、ストーリーの大半は小説から抜け出してきた「超人」たちの活躍や、彼らにバックアップされた「動物革命」の顛末、現実と脳内世界が混ざり合ったことによって、不死身の超能力者状態になった新井素子と、事体を収拾しようとする異星人との戦いなど、派手な要素満載で面白い。 人間と動物たち、小説のキャラクターに加えて三種の異星人が登場し繰り広げるドタバタ騒動だが、底に流れる生命に関する哲学的思索が、この作品を何度読んでも青春時代の柔らかく不安定な気持ちを思い出させる佳作にしていると思う。 なにより、ほんのりほろ苦く、それでいて淡い希望の漂う読後感が、「いつかまた読もう」と思わせる決め手だ。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
世界はループする,
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レビュー対象商品: …絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA) (文庫)
新井素子の作品世界(主に初期から中期、と言おうか)の登場人物、登場する環境のおさらいができる1本。 「扉を開けて」の原因になった、「あの場所」も登場する。 その場所がどのようにして生まれたのかもわかる。 初期から現在に至るまで、新井素子作品を読んでいる人なら、 もちろん読んでいるだろう、と思う作品。
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