内容紹介
粘着剤が加工された粘着テープや粘着ラベルなどの粘着製品は, 粘着剤の機能と利便性によって, われわれの日常生活のみならず, 自動車, 電気・電子, 通信, 土木・建築, 医療・衛生, 包装・物流などの分野で大量に使われており, その工業的規模は着実に拡大している。特に瞬間接着性, 応力緩和性, 再剥離性といった粘着剤の特出した機能によって, 今や半導体, 光学ディスプレイなどの最先端産業へ応用範囲を広げ, ますます産業資材として確固たる地位を築いてきている。これに伴い, 粘着剤に対する要求も厳しさを増し, 耐久性や耐熱性, 高透明性など機能は細分化し, 求められる水準は高くなってきている。今日, これらの要求を充たすために, 信頼性を重視し, 数多くの材料評価を行い, 製品化を目指すことができる粘着技術が求められている。 そこで, 今回このような背景を鑑み, 本書を発刊することとなった。本書は, 粘着技術の基礎に加え, 学術的な側面から粘着現象を捉えるとともに, 粘着剤の設計, 粘着製品の製造さらに粘着剤の分析・解析, そして粘着製品の評価技術まで言及して, 粘着技術そのものの信頼性を高めようとするものである。このような意図から, 書籍名を「粘着技術の3A」と命名した。「3A」とは, アカデミック, アナリシス, アプケーションを中心とした内容を充実させ, 粘着関連書籍の中で, トリプルAのランクを目指す!という編集委員会の想いを表したものである。その意味において, つぎの各章の位置づけから, 本書の特長を理解していただけると思う。 第1章 粘着技術の経験が浅い技術者が基本から学ぶことができる。 第2章 粘着現象を表面・界面とバルクから科学的に解析する。 第3章 粘着特性に及ぼす配合因子と基本的組成, 配合例を解説し, 粘着剤の設計と作製の手引きとする。 第4章 粘着製品の製造プロセスとその操作上の留意点を解説する。 第5章 粘着剤の代表的な分析・解析方法を事例を交えて解説する。 第6章 粘着製品の応用分野における評価技術を解説する。 この中で, 粘着にかかわる仕事に携わって間もない研究者, 技術者向けに第1章の「粘着技術の基礎」を設けたこと, 第3章の「粘着剤の設計」では誰でも標準的な粘着剤が作製できる記述を加えたことが他書にないところである。よって, 粘着剤や粘着製品の開発, 製造に携わっている方, 粘着関連の材料に関わっている方, 加工に携わっている方, さらにユーザの方に役立つものと思っている。
レビュー
出版社からのコメント粘着技術は自動車, 電気・電子, 通信, 土木・建築, 医療・衛生, 包装・物流などで大量に使われており、その使用量はますます増加している。それに伴って、粘着技術の高度化が進んでおり、従来からの機能である何かをくっつけるというだけではなく、導電性を求められるもの、透明性を求められるなど、さまざまなニーズにこたえる製品が出てきている。本書では、このような粘着を取り巻く状況について、アカデミック、アナリシス、アプリケーションと3つのAを軸にまとめた。(2009年6月)